ウォルト・ディズニーの名作「バンビ」がスペシャル・エディションで登場。森のプリンスとして生まれた小鹿のバンビが、森での様々な出会いや経験を通じて、やがては森の王となる姿を描いた大人気アニメーション !
これまで観た映画でいちばん衝撃的だった場面はどれかと考えると、誰もが必ず思いつくのは「バンビのお母さんの死」のシーンであり、いやというほど多くの作品を観ている映画ファンでも思い出すだけで身震いしてしまう。この最初の別離の場面(画面には出てこない出来事だが実にショッキングである)が、ウォルト・ディズニー制作の名作アニメ『バンビ』(1942年)の目玉だが、本作品の名場面はこれだけではない。テンポよく、かつ、おっとりしたタッチの69分の作品は、幼いシカの1年を追っている。
しかしもっと広い見方をすれば、誕生してからおとなになるまで、気ままな子ども時代から責任あるおとなになるまでというライフサイクルそのものを描いており、このテーマが全編こましゃくれてきびきびしたスタイルで表現されている。
本作品は観客に説教するわけではないので、ためになる話を聞かされてうんざりさせられることもない。アニメは実にすばらしく、緑ゆたかな森の自然はたえず(鮮烈な山火事の場面であれ、「人間が森にいたの」とバンビのお母さんが語る暗い場面であれ)奇跡を見せる。小ジカ以外の動物を描くほうが簡単だったろうが、ディズニーのアニメーターはあえて難題に挑戦し、凍った湖の上をおぼつかない足取りでわたるバンビの姿、くの字に曲がっているバンビのきゃしゃな脚を描いた。うきうきとしてかわいらしく描かれているシーンである。バンビがちょっと元気のないときも(バンビに限らずどのシカも落ちこむことはあるのだが)、親友であるウサギのとんすけ、スカンクのフラワーがバンビのぶんまで元気にふるまう。
初期のディズニー映画の大半は、詩的な瞬間と普遍的な真理にあふれているが、『バンビ』は実に気取りがなく、純粋で、とても分かりやすい。とんすけのセリフではないが、陽気な「浮かれ頭」になる楽しい作品といえよう。
柔らかいパステル調の背景にやや暗めで落ち着いた色調のセル画。さすがに制作年度が古いために、最近のアニメのようなくっきりした感じはありませんが、とろりとした感じにとけ込んでいくような雰囲気です。 これまでバンビはVTRで見ていましたが、DVDの方が画質はさすがに1枚も2枚も上で、ようやく記録媒体として本来のパートナーに巡り会えたという感じです。この物語はディスニーアニメの原点に近く、描き方や音楽は後のファンタジアに通じ、さらに最近ではライオンキングという「リメーク版」(独断ですが)を作らせてしまいました。買って損はありません。
ディズニークラシックアニメの中では割と地味なストーリーの作品。 でも王道である、友情・家族・成長等のキーワードはしっかり反映されている。 この作品は動物が擬人化されていないので、動きも地味になり 造るのに難しい作品だったと思うが、それでも見せてしまうのはさすがといえる。 こういう作品を見て、純粋な気持ちでワクワクし感動できた時代が やはりよい時代だったのだ思うのは年寄りの僻み? まあ、なんにせよ大人が今見ても十分楽しい作品であり、たまにはこういう 作品を見て心を洗い流すことも必要でしょう。
なんて素敵な映画だろうと、DVDで観て再認識しました。 生まれたてのバンビが言葉をとんすけに教わり話す場面…。 おもわず顔がほころびます。 バンビの顔は人間の赤ちゃんの表情の特徴を組み込んで 設定されたこともあり、すごく愛らしいです。 言葉を覚えて楽しそうにはしゃぐバンビ。 尻尾にとまったちょうちょを間違えて”バード”と呼ぶ場面。 ふふっと笑ってしまうかわいいシーンがたくさんあります。 バンビの成長を温かく見守る親の心境になりました。 バンビが主役ですが、影の主役はとんすけでしょう。 ちょっと早く生まれたお兄さんのような関係でバンビに いろいろなことを教えます。 途中、母親をなくすバンビですが、厳しくも美しい 自然の中で立派に成長していきます。 この作品がすばらしいのは、キャラクターのかわいらしさだけ ではなく、映像、音楽、人間の愚かさ、そして辛く厳しい状況の 中で、生きる動物たちの姿があるからです。 なんでこの映画を観ると、こんなにも懐かしく、 温かい気持ちになるのか。 それは故ウォルト・ディズニーが言ったように、 私たちは誰しも昔は子供だった…からだと思う。 春夏秋冬と一年が過ぎ、また春が来る。 新しい命が生まれる。 美しい映像と音楽が、観るものを森へいざなってくれます。